暗譜の方法
この数週間、翻訳に追われていて、パソコンの前でうなっています。 1つは音楽教育に関する資料。単に日本語にするだけでなく、資料の確認作業が入るので少々時間がかかります。 もう1つは音源から日本語にする作業。これも聞きながら入力するので、なかなか大変。 英語の長文をなかなか覚えていられず、何度も聞き返してしまいます。
そういえば、ワシントン国際ピアノフェスティバルでは、同時通訳を確保出来なかった関係で 数あるレクチャーをどうやって日本人参加者の皆様にご理解頂くか、悩みました。 パソコン入力のスピードは遅いほうではないので、講義会場にモニターを用意してもらい 同時通訳的に私が日本語で講義内容を入力する、という方法も試みましたが 実際には全く上手く行かず・・・。みなさまごめんなさい。 結局入力している間の会話を聞けないのですね。 同時通訳として活躍している方々の能力、ちょっと真似できるものではないことを実感しました。
音楽では様々な場面で「翻訳」(作品の)と「記憶」が要求されています。 その中でも、ソルフェージュの課題の1つに短い曲を記憶して書くという「暗譜」があります。 生徒達を見ていると、人が記憶するやり方には実に色々な方法があることがうかがえます。
1.「どれみ~」などとつぶやきながら音名を端から記憶するデータ型。 2.音の流れに歌詞を付けたり、絵のような動きを感じながら記憶する感性型。 3.伴奏を勝手に想像しながら記憶する和声型。 4.聴きながらピアノを弾くように指を動かしたり、歩き回って記憶する筋肉型~(?)。 5.音の配列のパターンを考えて記憶するパズル型!
まだまだありますよ。本当に記憶のメカニズムはひとそれぞれでユニークです。 年号は覚えられないけど、電話番号は覚えられるのはこの私。 数字には強いけれど、歌詞や歌を覚えられないという人もいますよね。
ネーミングは冗談ですが、「暗譜が苦手ね~」という前に、記憶の個性を見つけ出してあげたいなと思っています。