作品へのアプローチ
先日、「ソルフェージュの観点からのロマン派小品へのアプローチ」という講座をさせて頂きました。
ピアノを使っての演奏法講座と違い、曲の分析をベースに「どう弾くか」までを繙いていくわけですが、「ソルフェージュ的」というのがそもそも難しい解釈かもしれませんね。
個人的には、楽譜をみて「音を読む」⇒「弾く」の間に
「音を読む」⇒「考える」⇒「感じる」⇒「弾く」と、弾くために必要な要素の多くをソルフェージュが担っていると考えています。
なので分析が出来るだけでなく、「感じる」部分が抜けないようにしないといけませんね~。
例えば、跳躍する2つの音の幅にしても、5度などと数字で理解しているだけでなく、どんな響きの和声を感じ取れるのかが大切!それを声に出しながら、背景にある和声をより多彩に広げていくのが目標の一つですし、ロマン派音楽ではとても重要になります。
リズムやハーモニー、バランスにしてもソルフェージュからのアプローチがとても有効な場合が多いですね。
そして聴音能力もピアノ演奏にはかかせないのですよ。でも「聴音」で何を訓練するかは、とても奥深いのです。
単に音が聞き取れることは「聴音能力」ではないからです。
うーん、これは長くなりそうなのでまた別の機会につぶやくことにいたしましょう。
講座当日に使用した教材はシューマンとチャイコフスキーの「子供のためのアルバム」でした。
お話をさせて頂きながら、わずか2ページの小品に込められた作曲者の想像力の豊かさに感激しておりました。
演奏する時には、感謝の気持ちと幸福感を持って作品に向き合いたいものですね。
(生徒の皆さんも、そう接して欲しいなあ…)